手術と聞くと、「麻酔はちゃんと効くのかな?」「手術中に転移が見つかったらどうしよう」と、不安が次々と浮かんできますよね。
たとえ早期に診断されても、不安がなくなるわけではありません。
乳がんステージ1・ルミナールAと診断された私は、乳房温存手術を受けました。
「初期だから治療はそれほど大変じゃないのかな」そう思っていませんか?
この記事では、ステージ1・ルミナールAと診断された私が、乳房温存手術を受けるまでの気持ちや準備・手術当日の様子・入院中の経過・退院後の生活までを、実体験をもとにまとめました。
手術を控えている方の不安が、少しでも和らげばうれしいです。
※この記事は私個人の治療体験をまとめたものです。
乳がんの治療内容や入院期間、術後の経過には個人差があります。
治療については、必ず担当医や医療機関にご確認くださいね。
乳がんステージ1・ルミナールAと診断された私の治療

乳がんと聞くとまず思い浮かべるのが手術ではないでしょうか。
手術には乳房部分切除術と乳房全切除術があります。
がんの状態によりますが、私は転移もなくがん自体も小さかったので、乳房部分切除となりました。
私は、子供の頃虫垂炎の手術をしたことがあります。
経験があるとはいえ、手術が必要と聞いた時は怖くていてもたってもいられませんでした。
手術の痛みや転移の有無、麻酔は効くの?傷口や胸の形はどうなるの?そんな不安が頭をよぎっていませんか?
ここでは、手術が決まってから退院までの心境や準備、実際の体験談などをお伝えします。
乳がんステージ1・ルミナールAの診断結果
私の乳がんの診断から手術を表にまとめました。
| 項目 | 私の場合 |
|---|---|
| 診断 | 浸潤性乳がん (非浸潤成分あり) ステージ1 リンパ節転移なし |
| サブタイプ | ルミナールA |
| 腫瘍の大きさ | 9㎜ |
| ホルモン受容体 | 陽性 |
| HER2 | 陰性 |
| ki-67 | 3% (増殖率が低い) |
| 手術の種類 | 乳房部分切除術 センチネルリンパ節生検 |
| 入院期間 | 3泊4日 |
| ドレーン | なし |
| 手術時間 | 約2時間 |
| 費用 | 3割負担で約10万円 (高額療養費制度を利用) パジャマなどの備品は別途自己負担で数千円 |
| 術後の治療 | 放射線治療 ホルモン療法 |
状況によって異なりますが、ステージ1での診断はこのような流れになりました。参考になればうれしいです。
手術が決まるまでの気持ち
「温存手術で対応できます」と告げられたとき、乳房が残せると聞いて安心した反面、じわじわと恐怖が迫ってきました。
ステージ1、ルミナールA。初期の乳がんということで、すこしホッとしていましたが、夜になると不安がぐるぐると頭を回ってしまいます。
「初期なんだから大丈夫」と言い聞かせれば言い聞かせるほど、怖い気持ちが行き場を失う感じがしました。
そしてふと気がつくのです。初期だって手術は手術なんだと。
怖くていい。不安でいい。初期だからって、気持ちを小さくしなくていい。今ならそう言えます。
手術が怖いと思うのは当然のことです。その気持ちを否定せず、受け入れてくださいね。
手術が決まってから家族にどう伝えるか悩んだ
私が一番つらかったのは、家族の顔を見ることでした。
検査結果を夫と聞きに行きましたが、私は泣くばかりで戸惑っていました。家族も不安になりますよね。
「お母さん乳がんになった」と子どもに伝えるのは、想像以上に勇気がいります。たとえそれが初期の乳がんでも。何日も言えずにいた私。
どこまで話すか、どんな言葉を選ぶか。悩みに悩んで、私はがん相談支援センターで家族ケア専門看護師さんに相談しました。
お子さんの年齢やタイプにもよると思いますが、思春期だった子どもたちにはしっかり事実を伝えた方がいいとアドバイスをいただきました。
もし家族への伝え方で悩んでいたら、がん相談支援センターで相談されることをおすすめします。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。


不安でいっぱいな乳がん手術当日
手術の日。午後からの手術だったため、朝から何も食べられず、病室でただ時間が過ぎるのを待っていました。
手術自体は難しいものではありません。がんとその周辺を少し多めに切除する手術です。
頭の中にあったのは、
- 転移があったらどうしよう
- 麻酔はちゃんと効くのかな
- 手術が終わったら私はどうなっているんだろう
- 胸の形はどこまで変わってしまうのか
そんなことばかり考えていました。初期だから大丈夫と言い聞かせても、不安はなくなりません。
一人で考えていると、どんどん不安が膨らんでしまいます。
私は気になったことを、担当医や看護師さんにその都度相談するようにしていました。
すべての不安がその場で解決するわけではありません。
それでも、誰かに話を聞いてもらうだけで気持ちが少し楽になることがあります。
手術前に不安なことがあれば、遠慮せず医師や看護師さんに伝えてみてくださいね。
手術の詳しい流れやセンチネルリンパ節生検については、こちらの記事で詳しく書いています。

全身麻酔で乳房温存手術

手術が終わり病室に戻ってきたときは意識がもうろうとしていました。
気管挿管を行ったため、とてものどが痛かったのを覚えています。
手術直後の様子や傷跡について体験談をもとにお伝えします。
手術直後の傷と背中の痛み
全身麻酔なので、気づいたら終わっていました。
「終わりましたよ」という声で目が覚めました。意識がまだぼんやりしている中で真っ先に確認したこと。
「転移はなかったですか?」ずっとそれだけが気になっていました。
「大丈夫ですよ」その言葉を聞き安心したのを覚えています。
手術時間は約2時間。病室に戻るころには日が暮れていました。
心電図や点滴、尿道カテーテルと管で繋がれ、足には圧迫装置がつけられ身動きが取れません。
仰向けに寝ていたため背中が猛烈に痛くなり、看護師さんにクッションを入れて横向きにしてもらいました。
時間を見計らって逆向きにしてもらいましたが、それでも痛くて辛かったです。
傷の痛みも強く、痛み止めの点滴は時間を置かないとできないと言われ、意識がもうろうとしながらも痛みで目が覚める状況が続きました。
やはり手術は手術。術後は痛みとの戦いでした。
それでも、夜中に痛み止めの点滴をしていただいたおかげで、朝を迎えるころには背中や傷の痛みは落ち着きました。
ナースコールを押す前に、様子を何度も見に来てくれた看護師さんの優しい対応に号泣した私。忙しい中、大変感謝しています。
乳がん手術後の痛みは個人差がある
痛みのことを書くと怖がらせてしまうかもしれないと躊躇しましたが、手術となれば避けて通れないものです。
中には術後の痛みはさほどなかったとおっしゃる方もいます。(センチネルリンパ節生検の方が痛いという方もいます。)
私の場合、医師から「内臓の手術のように体の深い部分を切るわけではないので、術後の回復は比較的早い」と説明されました。
痛みに関しては個人差があります。私の場合は、術後の痛みは翌日にはかなり落ち着きました。
傷口の引きつりと、しびれて感覚がなくなっていましたが、眠れないほどの痛みではありません。
手術翌日から歩けた
次の日の朝、カテーテルや圧迫装置を外し、やっと起き上がれるようになりました。
試しに廊下を歩いてみましたが、少しふらふらするもののしっかり歩けて一安心。
心電図と点滴はまだ残っていましたが、かなり自由になりました。
たった一日動けなかっただけでふらふらになるなんて…
毎日当たり前に生活できることは奇跡なんだと実感した瞬間でした。
こんなことでもないとわからないことですよね。
午後からは点滴と心電図も外れ、散歩がてら院内のコンビニに行けるようになっていました。
昨日手術したとは思えないくらい動けて、感動したのを覚えています。
私は、リンパ節の転移がなかったため、手術の2日後退院となりました。
入院期間は全部で3泊4日。あっという間です。
センチネルリンパ節生検で転移なくドレーンは不要だった
センチネルリンパ節生検の結果、転移がなかったためリンパ節郭清は行いませんでした。そのおかげでドレーン(体液を排出する管)が不要でした。
ドレーンなしは本当に楽でした。退院後に手術部位に液がたまり、外来で注射器で抜いてもらう処置ですみました。
手術部位は感覚が鈍っていたので、針を刺した痛みはあまり感じなかったです。
痛みよりもズンとした違和感程度で落ち着きました。
乳房温存手術の傷跡と胸の形はどうなった?
一番気にしていた傷跡は思ったより小さかったです。
私はセンチネルリンパ節生検も行ったので、傷が2か所になる予定でした。
がんの場所が近かったため、つなげていただき傷は1か所で済みました。
傷の長さは約9センチほど。溶ける糸での手術だったので、抜糸はありません。
しばらくは糸が残っていましたが、気になるほどではありませんでした。
正直、術後傷を見た時はショックでした。透明なフィルムで傷を覆っていて、出血で傷が良く見えずかえって恐怖がこみ上げてきたのです。
私は手術をしたんだっていう実感が押し寄せてきて、鏡を直視できなかったのを覚えています。
胸の形は、傷周辺はへこみがあり少し変わってしまいましたが、正面から見るとわかりません。目立たないように整えていただき感謝です。
個人差はありますが、私の場合腫瘍が小さかったこともあり、胸の形への影響は思っていたより少なく済みました。
退院してから1週間後の検診までの様子

退院後は、自宅で安静に過ごしていました。
私は、右の脇側を手術で切っているので右腕があがらず重いものが持てません。
包丁を持つのも痛みが響いてしまい、家事は夫にお願いしていました。
医師からは腕を動かすように言われていましたが、突っ張る感じと腫れて感覚がなかったので動かしづらかったです。
傷自体は退院後3日も経てば痛みはかなり引きました。
触ったり動いたりしたときに痛みが走りましたが、普通にしていればさほど気にならなくなりました。
退院後のシャワー
退院したその日にシャワーの許可が下りました。
傷口に透明のフィルムを貼って保護していたので、濡れる心配はありません。
私が手術を受けたのは9月のまだ暑い時期だったので、とてもさっぱりしたのを覚えています。
お風呂は退院後7日目の検診で問題がなかったので許可が出ました。
術後はウォーキングがおすすめ
この時期は毎日ウォーキングしていました。ゆっくり歩いて15分ほど。
医師からはなるべく動いた方がいいと言われていましたが、一日家にいるとなかなか動くのもおっくうになってしまいますよね。
15分ほどのウォーキングがとても良い運動になりました。
歩くと振動が伝わって痛みがありましたが、気分転換には最適です。
もちろん無理は禁物です。医師に相談したうえで無理のない範囲で過ごしてください。
ウォーキングに関する記事はこちらを参照ください。

乳がんステージ1の手術後に受けた治療
退院後は放射線治療とホルモン療法が始まりました。
ホルモン剤は体調や状況によって飲む薬や期間が変わるので、医師の指示に従ってください。私は、ノルバデックスを5年間服用予定です。
放射線やホルモン剤の詳しい体験は、また別の記事で書きます。
初期でも怖いそれでいい
私の場合、ステージ1・ルミナールAと診断され、担当医からも予後がよいタイプだと説明されました。
でも「初期だから怖くない」なんてことはありません。怖いものは怖いんです。
あの日の私と同じように不安なあなたへ。
手術の日は必ず終わります。そして少しずつ、いつもの生活は戻ってきます。
不安な気持ちを抱えたままでも大丈夫。あなたが無事に手術を終えられることを心から願っています。

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