あなたは乳がんであることをお子さんにどのように伝えますか?
私はステージ1の初期段階で乳がんが見つかりました。
命に直結する状態ではないと説明を受けましたが、それでも心が重くなったのは、子どもたちにどう伝えよう?という問題です。
当時、長男は大学2年生で家を出て一人暮らし。細かいことは気にしない行動派の彼が、どんな反応をするのか想像がつきませんでした。
次男は中学3年生。受験を控えた時期で、繊細で慎重な性格です。
受験のストレスもある中、病気の話は不安を与えてしまうのではないか、と悩みました。
私は一人で答えを出せず、病院に併設されていたがん相談支援センターを訪ねました。
この記事では、私が実際に思春期の子どもたちに病気を伝えたときの体験と、専門家から教わった伝え方のヒントをお話しします。
子どもの年齢や性格によって病気の伝え方はさまざまだと思います。
この記事は、主に思春期のお子さんを持つ方に向けた内容になりますが、同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。
がん相談支援センターで得られた大切な言葉

あなたはがん相談支援センターをご存じですか?
がん相談支援センターは、がん診療連携拠点病院等に設置されているがん患者さんのための相談窓口です。
がんの治療に関して不安なことや気になること、家族への伝え方など、親身になって相談できます。
がん相談支援センターでは、家族ケアを専門にしている看護師さんが私の話を丁寧に時間をかけて聞いてくださいました。印象に残ったのはこの言葉です。
「お子さんがある程度の年齢であれば、正直に伝えた方が信頼されていると感じますよ。」
「大きくなった子どもは、自分で調べる力があります。何か隠されていると察したとき、逆に不信感を持つこともあるんです。」
自分のせいなのかも・・と思ってしまう可能性もあるので、ごまかさずしっかり伝えたほうがいいとも言われました。
確かに、もう子どもと呼ぶには成長しているふたり。心配だからと言って曖昧な説明をしたところで、気づかれるのは時間の問題です。
「落ち着いて、事実と安心をセットで伝えることが大切です。」
このアドバイスは、私の背中をそっと押してくれました。迷いの中に光が差し込んだような気持ちで、とても前向きになれたのを覚えています。
繊細な子どもに伝えるコツ
あなたのお子さんはどのようなタイプですか?
思春期の子どもは、強く見えても心が揺れ動いていることがありますよね。
繊細なお子さんであればなおさらだと思います。
うちの次男はかなり繊細なタイプなので、看護師さんに伝え方のアドバイスをいただきました。
高校受験を控えていた次男には、「お母さんも病気に頑張って勝つから、一緒にチャレンジしようね!」と伝えるといいと教えていただきました。
一緒にチャレンジと言うのがポイント。自分だけでなく一緒に乗り越えよう!という思いが伝わると安心すると言われました。
お互い大変だけどチャレンジしていこう!と言われればがんばろう!と前向きになれますよね。
もし、あなたのお子さんが繊細なタイプでしたらぜひ「一緒にチャレンジしよう!」と伝えてあげてくださいね。
私が子どもたちに伝えた時の話(体験談)

子どもたちには夏休みに入っていた長男が帰省したタイミングで伝えました。なるべく明るくでも事実を隠さず。
特に強調したのはちゃんと治療すれば怖くはないということです。
いつもは口数の少ない長男が、動揺していたのが衝撃でした。「え…!?大丈夫なの?」
いつもと違う反応に私はただただびっくりしてしまいました。
長男は好奇心旺盛で行動派。細かいことは気にしないタイプなので、初期の乳がんならそこまで動揺しないと思っていたのです。
離れて暮らしているからこそ、余計に衝撃が大きかったのでしょうね。
いつもは久しぶりに会って話しかけても「わかんない。」「忘れた。」
返事は「うん。」すら言わず「ん。」そんな長男ですが、意外に家族思いなんだなとちょっとうれしかったのを覚えています。
繊細で慎重派な次男の方が取り乱すのかと思っていましたが、落ち着いて聞いていました。
一緒に暮らしていた分、次男なりに何かを感じていたのでしょうか。
次男には、がん相談センターで教えていただいた通り「一緒にチャレンジしよう!」と伝えると、静かにうなずいていました。
伝えたあとの家族の変化

伝えた時は動揺していた長男。その後は通常モードに戻りましたが、明らかに私に対する態度は変わりました。
買い物に一緒に行くと何も言わず荷物を持ってくれたり、旅行に行けばお土産を買ってきたり。
相変わらず口数は少ないですが、長男なりの気遣いを感じました。
次男は以前と変わらず暮らしていましたが、家事を手伝ってくれることが増えたように感じます。
一緒の時間を過ごすことで安心感があったようでした。一緒にテレビを見ながらおやつを食べたり、好きな音楽の話をしたり。
私の元気な姿を見ていれば大丈夫だと安心するんでしょうね。極力、本人が嫌がらない限り一緒に過ごすようにしました。
ふたりとも、自分のペースで受け止めてくれていたのだと感じます。
お子さんに伝える時、まだまだ前向きになれないこともあるかもしれません。辛い気持ちを抱えたまま、お子さんの前では明るくふるまわなきゃ!と無理はしないでくださいね。
いま振り返って思うこと

あのとき、「伝える」という選択をしてよかったと思っています。
がん相談支援センターに相談しなければ、私はまだ悩み続けていたかもしれません。
専門の方の視点とアドバイスは、家族と向き合う勇気をくれました。
そして、子どもたちがもう大人になりつつある存在であることに気づかせてもらいました。
家族にどう伝えるか悩んでいる方がいたら、どうか一人で抱え込まず、信頼できる誰かに話してみてください。その一歩が、きっと前に進む力になります。
おわりに

がんと向き合う中で、お子さんに伝えることはとても勇気がいる選択だと思います。
正解がわからず不安や迷いを抱える方も多いのではないでしょうか。
だからこそひとりで抱え込まず、がん相談支援センターのような専門家に頼ってみてください。
話すことで気持ちが整理され、進む道が見えてくることもあります。
あなたとご家族が、それぞれのペースで安心して前に進めることを願っています。

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